1017D便り


2025年3月に脳出血を患い、5ヶ月間に及ぶリハビリ入院後も利き手足の麻痺が残る私には、片手で何がつくれて、どこまで表現できるのか? 今、できることを客観的に認識し、これからの表現を模索する必要性があります。自分が自分を諦めない限り、遊びは終わりません。Never give up! 乞うご期待! 

まずは、元々表現手法の中心の一つとなっていた様々な版画技法に改めてチャレンジしてみます。木版を中心に、厚紙を利用したドライポイント、簡易シルクスクリーン、なんちゃって箔押&エンボスなどなど…

道具や治具をうまく利用したり、今後の工夫次第ではありますが、当然、何をするにも手間がかかり、尚且つ精度も低く、イメージ通りの表現にはなかなか近づきません。

イメージ通りに表現できないもどかしさはありますが、過去と比べ、失ったモノを嘆いても時間の無駄。今だからこそ観える風景を探し、出来る表現を楽しむのが「粋」だと思っています。自分との新しい戦い(遊び)はまだ始まったばかり。楽しみしかありません。

今回の実験で出来た沢山の表情をコラージュした作品原画をデジタル作業にて「2026年カレンダー」に落とし込んでみました。慣れない左手用マウスでのPC作業、片手でのキー操作など、デジタル作業も時間はかかりますが、精度に変化が無いのがせめてもの救いです。

A5とA6の2サイズ。強度が必要な表紙は色違いのボール紙。

元々慣れないミシン作業。更に酷い精度に!

60年も生きると1ヶ月などアッという間?そんな訳で2ヶ月カレンダーに!

モチーフは金属工芸で使用する道具。金属造形作家でもある私にとっては身近な道具となります。

プリントはDCL-1のレーザープリンターにて。用紙はヴァンヌーボ(ホワイト)とアラベール(ナチュラル)。