ゼミ3ぽのついでに国立新美術館2Fで開催中の友人の展覧会を覗いて来ました。エネルギッシュでありながら繊細な感性の織りなすスケール感が心地良い。さすがラグビー部(笑)。超お勧めです。
大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ
会期:2023年11月 1日(水) ~ 2023年12月25日(月)毎週火曜日休館
開館時間:10:00~18:00
※毎週金・土曜日は20:00まで
※12月3日(日)・12月10日(日)は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
会場:国立新美術館 企画展示室2E 〒106-8558東京都港区六本木7-22-2
主催:国立新美術館、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
協力:株式会社アートフロントギャラリー、マインドセットアートセンター、株式会社中川ケミカル
観覧料:無料
お問合せ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
大巻伸嗣(1971年岐阜県生、神奈川県在住)は、「存在するとはいかなることか」という問いを掲げ、身体の感覚を揺さぶるような大規模なインスタレーションを創り出してきた現代美術家です。大巻は、そうしたスケールの大きな創作を、日本はもとより、アジアやヨーロッパなど世界各国で発表し、高い評価を得てきました。また、地域を活性化するアート・プロジェクトから舞台芸術まで、多くの人々と協働して空間を変容させるさまざまな現場でも比類のない資質を発揮しています。
大巻の空間に包み込まれた私たちは、この世界における我が身の存在に、新たな視点を投げかけることになります。空間に痕跡を残すことで自らの身体を実感し、また、闇に包まれたり、強烈な光に照らされたりすることで、身体だけでなく、意識や感覚に、内省的に向き合うことを促されるのです。
大巻は、現代社会がどのような歴史を経て今に至り、現在どのような問題を抱えているかを深く考察し、それをもとにインスタレーションの着想を得てきました。また、光と闇を重要な要素とする大巻の空間は、太陽のリズムとともに在るこの世界を象徴するかのような始原的な感覚を湛えています。この始原性とも関わるのが、大巻が好んで用いてきた繊細かつ濃厚な装飾的な造形です。人間は、自然を抽象化した文様を身近なものとすることで、自然に寄り添って生きてきたからです。大巻のインスタレーションは、現代社会に対する優れた批評である一方、人間に普遍的にそなわる根源的な造形志向を色濃く反映しているのです。
本展覧会は、国立新美術館で最大の、天井高8m、2000m²にも及ぶ展示室をダイナミックに使って開催されます。この広大な空間でなければ展示できないインスタレーションは、観客の身体的な感覚と強く響き合い、細分化した世界に生きる私たちが失った総合的な生の感覚を喚起することでしょう。展示には、映像や音響、そして詩も用いられるほか、会場内でのパフォーマンスも予定されています。大巻が創り出す、現代の総合芸術をお楽しみいただければ幸いです。